春の大三角

 大三角と言えば冬の大三角や夏の大三角を思い浮かべるが、春の星空にも大三角はある。ベテルギウス-シリウス-プロキオンを結ぶ冬の大三角、ベガ-アルタイル-デネブを結ぶ夏の大三角だが、どちらも1等星を結んでできる三角形だ.
 ならば春の大三角は、レグルス-アルクトウルス-スピカと結びたいところだが、実際に結んで見るといささか間延びした三角形となり、どう見ても美的感覚に欠ける。先人たちはそんなことは先刻ご承知とばかりに、レグルスではなくしし座のしっぽの星デネボラをアルクトウルスとスピカとを結んで春の大三角とした。こうすれば,美しくバランスが取れた逆正三角形ができあがる。デネボラは2等星であることが残念だが、1等星のレグルスを選んで形を崩すのではなく、あえて2等星のデネボラを選んだところに、現代に生きる私たちよりもはるかに感性豊かだった先人たちの「粋」を感じる。
 ちなみに春の大三角は、三つの大三角の中で最も大きい。4月の宵空で、冬の大三角と比べて、未明の空で夏の大三角と比べてみると、一目瞭然だ。

 


2026年04月02日