紫金山・アトラス彗星1

 彗星といえば、2023年1月9日に紫金山天文台で発見され、南アフリカの小惑星地球衝突最終警報システム(ATLAS)によって2月22日に確認された新彗星、紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)が、2024年9月27日に太陽に0.39天文単位まで接近して、かなり明るくなると予想されている。日本では近日点通過前後の、9月下旬から10月上旬にかけて明け方の東の低空で0等級で。また近日点通過後の10月中旬から下旬にかけて、宵の西空で1等から4等へと暗くなってゆくようすを観望することができそうだ。
ただ、アメリカの研究者ズデネク・セカニナ氏が7月に発表した論文によると、それまで順調に増光してきていた彗星が、6月に入ってから増光が鈍っていることを取り上げ、紫金山・アトラス彗星は、現在崩壊中で当初の予想通り明るくならない可能性が高いと結論付けている。
 非常にショッキングな論文ではあるが、実際に観測して得られた結論ではないうえ、現在は再び増光してきているという観測もあるため、まだ先行きは全くわからない況である。
 彗星に関しては、世間が騒ぐと明るくならない、明るい彗星が現れるのは春というジンクスがあるので、明るくなることをひそかに期待しつつ、推移を見守ることにしよう。

 

 

2024年08月31日