夜明け前の東の空が賑やか!
月と金星と水星と土星がランデブー
3月21日に内合となり、夕方の西空から明け方の東空に舞台を移した金星が、4月に入るともう明けの明星としてゆっくり高度を上げ始めている。また、3月13日に合となった土星も低空ながら明け方の東の空に見え始めた。さらに3月24日に内合となった水星が、明け方の東の空でゆっくり高度を上げ、4月22日に西方最大離角を迎える。そして3惑星のそばを4月25日から26日にかけて新月直前の細い月が通り過ぎて行く。

●4月上旬 水星と土星がランデブー
朝焼けに染まる東の低空に姿を見せた水星と土星が、寄り添いながらほぼ平行に高度を上げてゆく。水星と土星が最も接近するのは4月11日でその間隔は2度角。ただし高度は低く日の出約30分前で5度程度しかない。しかも明るさはどちらも1等程度なので、朝焼けに染まる空で肉眼で見つけるのは難しいかもしれない。そんなときはその上で輝いている金星を手掛かりに双眼鏡で探してみよう。
●4月22日 水星西方最大離角
水星は太陽に一番近いところを回っているため、地球からその動きを見ていると、太陽から決して大きく離れることはない。それでも太陽から最も離れる最大離角ときには、明け方の東天か、夕方の西天低空で見ることができる。
しかし同じ最大離角でも、黄道が地平線と交わる角度が大きいときと小さいときとでは、水星の地平高度に差が出てくる。4月22日迎える西方最大離角は、比較的角度が小さいときに当たっているので、高度があまり高くならず、日の出30分前の高度はり日没30分後でも高度は8度程度しかない。それでも東の空が地平線まで見渡せて、透明度が高ければ、0等の水星は意外と簡単に肉眼で見ることができる。もしわからなかったら、上方で輝く金星を目印にして、双眼鏡で探してみよう。高度が8度を維持している4月16日から27日が観望チャンスだ。また水星を天体望遠鏡でのぞいてみると、半月状に見えることがわかるだろう。。

●4月25日 月と金星と土星が寄り添う
水星とのランデブーを終えた土星は、金星との間隔を狭めてゆくが、そんな金星と土星の間に、4月25日に新月前の月齢26.4の月が加わる。金星と土星の間隔は4.1度角、金星と月の間隔は5.3度角、土星と月の間隔は4.1度角なので、7倍双眼鏡の視野に3天体が何とか収まる。朝焼けの中で-4.7等で輝く強烈な金星と遠慮がちに光る土星と地球照を伴った優しい月のコントラストがとても美しく感じるだろう。
●4月26日 月と水星が並ぶ
4月22日の西方最大離角を終え、高度をゆっくり下げる水星に、新月直前の金の糸のように細い月齢27.4の月が並ぶ。間隔は3度角と近い。水星は0.3等とまだ明るいが、日の出30分前の高度は5度しかないので、見るためには東の空が地平線まで開けていること。双眼鏡を用意しておくことが必要だ。
●4月27日 最大光度の金星と環のない土星
明けの明星としてジリジリと高度を上げての存在感を見せ始めている金星が、4月27日に最大光度になって-4.8等のより一層強烈な光を放つ。
最大光度といえば、2月15日にも起こったという記憶があるのではないだろうか。そもそも最大光度は、内合になる約36日前と内合から約36日後に最も明るくなるからだ。
最大光度の頃の金星は、視直径40秒ほどと木星並の大きさがあるため、小型望遠鏡でもけっこう見栄えがする。50倍~100倍で、月齢4ほどに欠けた金星の姿を見ることができる。。
