●6月12~14日 金星がプレセペ星団を通過
6月2日のM44と火星のニアミスから11日後の6月13日、と東方最大離角を迎えて間もない金星がプレセペの北に接するように並ぶ。しかもプレセペの主星であるε星と金星の間隔がわずか1°というニアミスだ。プレセペ星団の視直径が約1.6°であることを考えると、なかなかの見ごたえがあるニアミスだといえる。

7倍の双眼鏡なら、6月10日から17日にかけて、金星がプレセペ星団に近づき離れてゆく様子を楽しむことができる。また、20倍前後(実視野2.5°)の双眼鏡やスポッティングスコープで、最接近した時のようすを目の当たりにすることができる。
ただし、プレセペはプレアデスほど明るい星団ではないので、観望は空が暗くなる、20時30分ごろがいいだろう。ただしこの時刻になると高度は15度前後と高くはないので、観望・撮影は西の空が開けた場所で行おう。透明度さえ良ければ、空が暗くなるにつれ、豊かな輝きを放つ金星のとなりにプレセペの星々の清純なきらめきが見え始め、きっと目を釘付けにすることだろう。

●6月22日 月と金星・火星が寄り添う
6月18日の新月を経て若返った月は、夕焼け空で日ごとに高度を上げ三日月となって、21日から23日にかけて金星と火星の北を通り過ぎる。金星と火星に最も近付くのは22日。その間隔は、月と金星が4.4度角、月と火星が3.1度角ほど。3天体が7倍双眼鏡の視野にちょうどうまく収まって、地球照を伴ってやさしい光を放つ月と、まばゆいばかりに輝く金星のみごとなコントラストと、やや暗めながらも赤さは健在の火星の姿を楽しむことができるだろう。
