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金星がめちゃ明るい!

2月15日 金星が最大光度に

 夕暮れの西空で輝いている金星が1月10日の東方最大離角以後、ジワジワと高度を下げてきた。春が近くなりいささか元気がなくなってきた金星だが、明るさだけは今月旬を迎える。2月15日には最大光度になって-4.6等の強烈な光を放つからだ。-4.6等といえば1等星のおよそ150倍の明るさで、目が慣れれば昼間でも見えるほど。日没直後のまだ明るい空でもはっきりわかるので、UFOと間違えられることが多い。


 最大光度とは、金星の現象だけに使われる用語で、内合を挟んで約36日前と約36日後に最も明るくなる。その理由はこうだ。太陽の光を反射して光っている金星は、太陽のまわりを公転するにつれて、金星と地球の位置関係が変化し、明るさが-3.8等~-4.6等まで変化する。金星が最も明るく見えるのは、地球と金星とが最も接近したときだと考えてしまうが、内惑星である金星は、最も接近したときは、太陽と同じ方向に見える上(内合)金星の夜の部分しか見えないため、残念ながら明るい金星を見ることはできない。ではいつかというと、金星と地球の距離がほどほどで、金星の昼間の部分がそこそこ見えているというときということになる。それが内合をはさんで約36日前と36日後というわけだ。


 日没約30分後の高度は、1月12日の東方最大離角のときには、35°あったが、2月17日の最大光度になると32°とやや低くなる。この頃の金星は視直径40秒角近くあり木星並の大きさがあるため、小型望遠鏡でもけっこう見栄えがする。100倍~200倍で、月齢4ほどに欠けた金星の姿を見ることができるはずだ。1週間ごとに金星を観望し続けると、ダイナミックに欠けながら視直径が大きくなってゆくようすを楽しむことができる。
 その後金星は、3月21日に内合となり、今度は明け方の東の空で4月27日に再び最大光度を迎える。