みどころ

●4月17日の宵 月と火星がニアミス

 心地よい風がそよぐ4月。春霞で少しにじんだ西の夜空では冬の星座たちが役目を終えようとしている。そんな星空の中で、オリオン座のベテルギウスと、おし座のアルデバランと、地球から遠ざかり元気がなくなってきた火星の赤い星トリオが三角形を作っている。
 その火星に、4月17日に月齢5の月がニアミスをする。月と火星の間隔は1.3°程。これはなかなかの接近だ。7倍双眼鏡(実視野7°)の視野の中に余裕で入るのはもちろん、25倍程度(実視野2°)の望遠鏡の視野にも収まってしまうほどだ。欠け際に並ぶクレーターとぼんやりと浮かぶ地球照が印象的な月と、1.4等と暗くはなったものの、惑星独特のどっしりとした赤い光を放つ火星との共演は神秘的だろう。実はこの日東南アジア方面では火星食が見られる。。


●4月19日21時ごろ 月面Xが見える

 月面の欠け際を望遠鏡で見ていると、クレーターや山脈の高い部分が、朝日を受けて周りより早く光り始め、暗闇にポツンと光点が見えたりする。また様々な図形や文字を浮かび上がらせることもある。このように月の欠け際に浮かび上がる文字がいくつも見つかって話題になっているが、その火付け役となったのが、欠け際に浮かび上がるX字形だろう。
 月面Xは、月面のほぼ中央やや南寄りにあり、上弦の月のころの欠け際に見えるため、より注目度が大きかったのだろう。これを「月面X」と呼ぶ。正体は、プールバッハクレーターとブランキヌスとラ・カーユクレーターの境目の稜線が、まわりより高いために、この地域が日の出を迎えたとき、最初に太陽光線が当たってX字形が浮かび上がるのだ。ただし見えるタイミングはとてもシビアで、X字が見えている時間は、1時間程度。しかも1年を通してそのチャンスは数回しかない。ただし今年は、月面Xの当たり年で、2月19日に続いて2回目のチャンスが4月19日に巡ってくる。
 この日の月齢は7.4で、見える時間帯は21時前後。月は南中を過ぎて西の空に傾いているが、漆黒の夜空にX字が浮かび上がっているだろう。