■二大星団の食
11月2日深夜 18年ぶりのプレセペ食
春の星座のトップバッターのかに座が、もう11月深夜の東の空に姿を見せている。かに座は黄道12星座の一つでありながら、4等星以下の星ばかりで目立たないが、メシエ天体の中ではプレアデス星団に次いで2番目の明るさと規模を誇る散開星団プレセペ(M44)を中央に有している。このプレセペ星団を下弦の月が隠す現象が、11月1日から2日に変わる深夜に見られる。これは日本では2008年3月18日以来なんと18年ぶりのことだ。
東海地方では月の出の23時52分から約30分後の0時10分ごろから始まる。プレセペはプレアデスほど明るい星はないが、6等級の星が十数個密集しいているので、下弦の月が西から東へ移動することにより、明るく輝く縁に消えてゆき、陰になった部分から出てくるようすを、2時ごろにかけて楽しむことができる。
月の軌道は黄道と5°しか傾いていないため、星食を起こす恒星は、黄道付近にあるものに限られる。ところが、月の軌道と黄道との交点は、約19年の周期で黄道上を西向きに移動してゆくため、黄道付近の恒星といえども、毎年必ず食になるとは限らない、そのかわりある恒星が一度食を起こすと、その後しばらくはその恒星の食が続くようになる。その周期は約19年ということになり、プレセぺ食も2008年ごろ頻繁に起こって以来久々の現象というわけである。というわけでプレセペ食は今年から来年にかけて何回か起こるわけだが、今回以外は日本では昼間や地平線下での現象となり見ることができない。
つまり11月2日のプレセペ食は、貴重な現象ということになる。ぜひ、双眼鏡や望遠鏡の低倍率で、プレセペの星々が次々に月に隠され現れるようすを楽しむことができる。
11月24日宵 満月ののプレアデス食
昨年から今年にかけて、月によるプレアデス星団の食が頻繁に起こっているが、日本では1月1日以来今年2回目のプレアデス食が見られる。
11月24日の18時ごろ、東の空30度ほどに昇った満月がプレアデスの星たちを次々に隠す。ただし、月がプレアデスのやや北寄りを通過することから、プレアデスの星々すべてを隠すわけではないのが残念だ。
東京では、まず最初にエレクトラ(3.7等)が18時29分に月の東縁に潜入し、18時36分にタイゲタ(4.3等)、18時46分にとケレーノ(5.5等)が続く。そして18時57分にエレクトラが月の西縁から出現する。また、19時34分にはタイゲタ、19時44分にマイアが出現する。
北の地域ほど月の位置が南にずれるので、月がプレアデスに近づきより多くの星を隠すことになるが、北海道最北の稚内でも主星のアルキオーネを隠すには至らない。
今回のプレアデス食は、月が東の空に昇って3時間後の程よい高さで起こるので高度は十分だが、月がプレアデスの北寄りを通過することと、まぶしさに目がくらむほどの満月であることから、決して好条件とはいえない。それでもプレアデスの星々は明るいので、双眼鏡や20倍以下の望遠鏡やスポッティングスコープ眺めていれば、満月がプレアデスにジワジワ近づいていくつかの星を隠しながら、月が西から東へ動いてゆくようすを楽しむことができるだろう。