夕方の西空で水星と金星が集合!
3月8日 水星が東方最大離角
地球の内側を回る水星と金星は、決して夜中に見えることはない。観望チャンスは、見かけ上太陽から最も離れる最大離角の頃だ。最大離角とは、太陽-内惑星-地球が作る角度が90°になったときのことで、太陽より東側に離れたときを東方最大離角といい、日没後の西天で見ることができる。また太陽から西側に離れたときを西方最大離角といって、日の出前の東天で見ることができる。
金星は1月12日に東方最大離角となり、水星は3月8日に東方最大離角を迎え、夕方の西天に水星と金星が同時に見える。
3月8日 水星が東方最大離角
太陽系惑星のなかで一番内側をわずか88日で公転する水星。おかげで地球からは、明け方の東天か夕方の西天の低空にチラッと顔を出すだけで、なかなか落ち着いてその姿を見せてくれない。しかし実際は、条件さえそろえば以外に簡単に見える星なのだ。
水星は太陽に一番近いところを回っているので、地球からその動きを見ていると、太陽から決して大きく離れない。それでも太陽から最も離れる最大離角ときには、明け方の東天か、夕方の西天で10度程の高度に見ることができる。しかし同じ最大離角でも、黄道が地平線と交わる角度が大きいときと小さいときとでは、水星の地平高度に差が出てくる。今回の東方最大離角は、角度が大きいときに当たっているので、高度がぐっと高くなり、日没30分後でも高度は12゜に達する。
観望チャンスは、最大離角の8日をはさんで前後5日間ほどだ。日没20分~30分後、西の空、高度10度あたりを探してみよう。0等級の水星が見つかるはずだ。もし夕焼けの中に埋もれてよくわからないようなら、双眼鏡の助けを借りるといい。。

■3月12日 水星と金星が並ぶ
3月12日には、西の低空で水星と金星が並ぶ。その間隔は5.5度角程。7倍双眼鏡の視野に何とか入る間隔だ。0.5等の水星と-4.3等の金星の明るさの差を比べてみよう。ただし地平子度は低く日没40分前で8度ほどしかない。西の空が地平線まで開けているところで観望することにしよう。
日没約30分後の高度は、1月12日の東方最大離角のときには、35°あったが、2月17日の最大光度になると32°とやや低くなる。この頃の金星は視直径40秒角近くあり木星並の大きさがあるため、小型望遠鏡でもけっこう見栄えがする。100倍~200倍で、月齢4ほどに欠けた金星の姿を見ることができるはずだ。1週間ごとに金星を観望し続けると、ダイナミックに欠けながら視直径が大きくなってゆくようすを楽しむことができる。
その後金星は、3月21日に内合となり、今度は明け方の東の空で4月27日に再び最大光度を迎える。
