みどころ

 

10月は月に注目

10月14日 月と土星がランデブー
10月15日 十三夜
10月17日 スーパームーン

 

 9月17日は中秋の名月で土星も華を添えていたが、さらに透明度が高くなり月の光が冴えわたる10月も月に注目しよう。
 まず、10月14日にはみずがめ座で観望チャンスが続いている土星の西側に月齢11のふくよかな月が寄り添う。月は1日約13度角西から東に動くため、月と土星の間隔は時間とともに変化する。今回の接近では、月と土星が東の空に姿を見せたときの間隔は5.5度角に対し、月と土星が西の空に傾く23時では、3.3度角と、約2度角も変わる。というわけで月と土星の親密さを感じたいなら深夜に見るといいことになる。
 さて、翌日の10月15日は月齢12となるが、この日はもう一つのお月見、旧暦9月13日の十三夜(後の月)となる。なぜ、旧暦9月13日の十三夜を愛でるようになったのかは定かではないが、一説によると、平安時代後期宇多法皇が十三夜の月を眺め、「十五夜も美しいが十三夜も無双だ」と賞したことから、九一九年に息子の醍醐天皇が十三夜の宴を始めたとか。また十三夜は、十五夜二日前の月で、まだこれから満ちて行くことから、希望の月とも呼ばれている。十三夜の月の形が栗に似ていることからか、栗を供えるため、栗名月とも言う。


 十三夜から2日後の10月17日には満月となる。先月の中秋の名月もいつもより大きく見える月だったが、10月の満月は今年最大の新月もスーパームーンとなる。
 さて、ふだん何気なく見上げている月、日によって見かけの大きさが違っていることに気が付く人はほとんどいないだろう。ところが実際は、大きさが結構変化しているのだ。もちろん大きさの違いは、地球と月の距離の違いによるものであることは言うまでもない。
 月は、地球と月の重心位置を焦点とする楕円軌道で回っているため、最も近づいたとき(最近)と、最も遠ざかったとき(最遠)とでは、両者の距離はかなり違ってくる。月は、太陽に対して29.5日の周期で公転しているため、およそ1ヶ月の間に必ず最近と最遠が訪れる。そのなかでも10月17日の満月は、ちょうど最近と重なっている。地球との距離は357175km、これを視直径で表すと33.4′となる。では、今年最遠となる満月はいつだったかというと、半年前の3月25日で、距離は406294km、視直径は29.4′。つまり最近と最遠の差は4′、実に12%も大きさが変化していることになるのだ。これを明るさに換算すると30%も違うというから驚きだ。