みどころ

 

ポン・ブルックス彗星を見る最後のチャンス

4月21日近日点通過
 1812年にフランスの天文学者ジャン・ルイ・ポンに発見された周期70年のポン・ブルックス彗星(12P)が4月21日に近日点通過をし、6月2日には地球に1.55天文単位まで接近する。日本では3月下旬から4月初旬にかけて、夕方の西空で4等級で見えるだろうと期待が高まっている。
 このポン・ブルックス彗星が、4月21日の近日点通過に向けて明るさが徐々に増して、最高の観望チャンスとなって来た。3月下旬からから4月下旬にかけては、おひつじ座を横断しおうし座の北西をかすめるように移動してゆく。秋から冬の星座の中を南東方向に移動するため、日没後の西の空でゆっくり高度を下げて行くことになる。日没約60分後の高度は4月初旬で12度前後とあまり高いとは言えないのが残念だが、明るさは4等級になっていると思われるので期待は大きい。


 彗星の明るさは4等級と予想されているが、肉眼では簡単に見えないので、双眼鏡で目印の星を頼りに探すことになる。3月29日から4月2日にかけて、おひつじ座のα星ハマルをかすめるように通過したが、4月12日から16日にかけては、木星の南約3度角を北から南へ通過する。木星は-2等なので誰にでも見つけられるうえ、彗星を双眼鏡で見る最高のチャンスと言えるが、日没約60分後の高度は12度前後とやや低め。さらに新月後の月明かりがやや気になるが、西の空が地平線まで見渡せる場所で観望しよう。木星のそばには天王星も光っている。
 その後4月21日には近日点通過となり、それ以降は徐々に暗くなりながら南下してしまうので、今月下旬には見納めとなる。