すばるが月に隠されるPart3
12月31日深夜のすばる食
先月に引き続いて今月もプレアデス食が見られる。しかも暮れも押し迫った大晦日の深夜、ちょうど南の地平線すれすれのところにカノープスがさしかかるころから年越しの現象となる。ただし先月同様、月がプレアデスの北寄りを通過することになるため、プレアデスの星々すべてを隠すわけではないのが残念だが、南中直後の空高く昇った月齢11の明るい月が、22時ごろから翌年の1時にかけてプレアデスの北をかすめるように西から東に通り過ぎて行く。
プレアデス食の楽しみは,キラキラ光る明るい星や暗い星が,月に次々に隠され再び姿を現すという神秘さにある.また,月が実際に西から東に移動していることを実感することができる現象でもある。観望は双眼鏡で十分だが、少しでも暗い星まで見ようとすると、口径60mm以上倍率20倍前後の大きめの双眼鏡や観に望遠鏡、スポッティングスコープがあれば、いっそう楽しむことができるだろう。
今回は、プレアデスの北をかすめる程度の食だが、2025年見納めとなる天文現象となるので、南の地平線すれすれに昇った長寿の星カノープスも眺めつつ、すばる食を楽しみながら年越しをするのはいかがだろう。