みどころ

10月6日火星大接近! 

 みずがめ座からうお座へと移動中の火星が、んぐん明るさを増して、夜半前の東の空で鮮やかな赤い光を放っている。9月上旬の明るさは木星とほぼ同じ-2等。そして10月6日には木星をしのぐ-2.6等となって、大接近を迎える。

●うお座で最接近

 地球のすぐ外側を周期687日で公転するだけあって、火星の動きは木星や土星に比べるとめまぐるしい。6月下旬には,前回最接近したみずがめ座からうお座に入り0等星で輝いていた。明るい星のない秋の星座の中でひときわ目立っていたのを思い出す。8月4日には光度-1等、視直径は15秒角を超え、中口径望遠鏡の観望対象になってきた。9月に入ってからはスピードを遅めながら東に進み,9月10日うお座のα星のすぐ北で留となり、順行から逆行に転じた。このとき光度-2等、視直径20秒角に乗り、いよいよ小口径望遠鏡での火星ウォッチングチャンスがやってきた。そして9月24日には、火星は木星と変わらない-2.4等まで増光し、視直径は22″の大台に乗り、10月6日うお座で最接近を迎え、視直径22.6秒角になる。この後視直径20″台は11月1日まで続く。 うお座で最接近となった火星はその後も逆行を続け、11月16日に留となり再び順行に戻る。急成長した火星は衰退も早い.11月末には光度-1等級,視直径は15秒角を切ってしまう。そして2020年の終わりとともに火星準大接近も幕となる。

 

●接近は2年2ヶ月ごとに起こる

 火星は、地球のすぐ外側の軌道を回っていながら、直径が地球の半分ほどしかないため、地球と火星が軌道上でとなりどうしに並ぶ接近のときでないと、視直径が大きくならず表面の詳しい観測ができない。
 地球と火星が接近する周期は、もし火星の公転周期が地球の2倍の730日だったら、ほぼ2年ごとに軌道上の同じ位置で出会うことになるが、実際の火星の公転周期は、2倍より短い約687日なので、およそ2年2ケ月ごとに接近することになる。地球と火星が出会う軌道上の位置も、接近のたびに2ヶ月分ずつずれていくことになる。
 ところで、接近時ならば必ず視直径の大きな火星が見られるかというとそうではない。地球は、真円に近い軌道で回っているのに対し、火星の軌道は離心率0.093と惑星の軌道としてはけっこう楕円になっている。そのため、地球とどこで隣どうしになるかによって、地球と火星との距離は5600万kmから1億kmと大きく変化してしまう。つまり接近と言っても、大接近・中接近・小接近に分けて表現していて、大接近は必ず7月から8月にやぎ座からみずがめ座で起こる
 

 

●今年は準大接近!

 視直径が25秒を超えるような大接近は,15~16年に一度しか巡ってこない。2012年3月6日の接近は、距離が1億kmを超える超小接近だった。続く2014年4月14日の接近は、距離が9000万km、2016年5月31日の接近では7528万kmまで縮まった。さらに2018年7月31日の接近は、距離5759万km の15年ぶりの超大接近となった。そして今年2020年の接近はそれに次ぐ接近で、距離は6207万kmと大接近に近い準大接近となる。 この接近を地球から見たときの火星の視直径で比較すると、2018年7月31日の超大接近時24.3秒角に対し、そのひとつ前の2016年5月30日の接近は18.6秒角、そして今回の最接近時の10月6日の視直径は22.6秒角。前回に比べても7%ダウンにしかならない。この大きさならば大接近といってもいいぐらいだ.前々回2016年の接近時の火星の大きさを覚えている人は、今年も十分大きいと納得できるはずである。

 

●8月21日の3惑星

 8月21日に撮影した、火星・木星・土星だ。見た目に近くするために、特に画像処理を施していない。地球から見る火星が、木星や土星と比べていかに小さいかがわかるだろう。この日の可亜英の視直径は17″角。木星は45″角。木星の視直径の1/3強しかない。それでも南極冠やシレーンの海がわかる。現在は20″角を超えて、かなり見応えが出てきた。
これから2ヶ月間が火星観望チャンスだ。2018年のように大規模砂嵐が発生しないことを祈ろう。