みどころ

 

●準惑星となった小惑星ケレスが見ごろに

7月7日 準惑星ケレスが衝
火星と木星の軌道の間には、無数の岩石のような天体が公転しているが、これらの天体を小惑星と呼んでいる。このうち始めに発見された明るい4個の小惑星、ケレス・パラス・ジュノー・ベスタは、四大小惑星として知られている。今月は最大のケレスが見ごろとなる。
 そもそも小惑星捜索は、火星と木星の間が異常にあいていることに気が付いたケプラーの指摘から始まる。また1772年にボーデが発表したティティウス・ボーデの法則によって、さらに火星と木星の間には未知の惑星が存在するはずだという期待が高まった。そこで、ドイツの6人の天文学者による捜索が始まったが、未知の惑星捜索には一切関わっていなかったイタリアのシシリー島のパレルモ天文台長ピアッジによって、1801年1月1日おうし座で偶然発見されてしまったのだ。 その後天才数学者のガウスが軌道計算をして、火星と木星の間を回る未知の第5惑星であると話題になったというわけである。
 小惑星第1号は、ピアッジの住むシシリー島の守護女神の名をとって、ケレス(セレスとも発音する)と名づけられた。ケレスは小惑星の中で最も大きく、直径910km、質量1.17×10↑21kgで、全小惑星の質量の1/3近くを占めるといわれている。ケレスは自己重力により球形になっていると考えられることから、現在は冥王星と同じ準惑星にも分類されている。
 このケレスが、7月7日にいて座の南斗六星のひしゃくの端の星ζ星(2.6等)すぐ北で衝を迎え、観望チャンスになっている。明るさは、7.3等、肉眼ではちょっと見ることはできないが、小型の双眼鏡でなら見える明るさだ。星図を頼りに、ζ星を基準にしてピアッジになった気分4日で約1度西に移動する天体をじっくり探してみよう。