すばるが月に隠される
11月6日深夜 すばる食
今年も毎月のように、月によるプレアデス星団の食が起こっているが、8月16日に続いてスーパームーンの翌日11月6日から7日にかけての深夜にもプレアデス食が見られる。
11月6日の深夜、南中した月齢16の限りなく満月に近い月が、プレアデスの星たちを次々に隠す。ただし、月がプレアデスの北寄りを通過することなどから、プレアデスの星々すべてを隠すわけではないのが残念だ。
名古屋では、まず最初にタイゲタ(4.3等)とケレーノ(5.5等)が23時32分ごろほぼ同時に隠され、23時58分ごろにはケレーノが出現する。そしてマイア(3.9等)が0時18分ごろ月の南縁をかすめるように通過し、タイゲタが0時40分ごろに出現する。
北の地域ほど月の位置が南にずれるので、プレアデスに月が近づきより多くの星を隠すことになる。
今回のプレアデス食は、月が南中するころに起こるので高度は十分だが、月がプレアデスの北寄りを通過することと、まぶしさに目がくらむほどの月齢16の月であることから決して好条件とはいえない。それでもプレアデスの星々は明るいので、双眼鏡や20倍以下の望遠鏡やスポッティングスコープ眺めていれば、満月がプレアデスにジワジワ近づいていくつかの星を隠しながら、月が西から東へ動きているゆくようすを楽しむことができるだろう。
11月25日 土星の環が消失
今年は、2009年以来16年ぶりの「リングの消失」の年に当たっていて、3月、5月、11月に起こる。なぜなら土星リング消失には、二つのパターンがあるからだ。パターン1は、地球から土星の赤道面を見る、つまりリングを真横から見るために起こる。パターン2は、太陽が土星の赤道面を照らすとき、つまりリングを真横から照らすことにより起こる。
今年は消失が3回起こり、1回目の3月24日にはパターン1の地球から土星を真横から見ることにより起こった。ただし、土星は3月13日が合だったので、3月24日のリングの消失は、土星が太陽と同方向にあり残念ながら見ることはできなかった。そして2回目リングの消失が5月7日に起こった。今度はパターン2の太陽が土星を真横から照らすことによって、リングに日が当たらなくなるために起こった。もっとも実際は、3月24日のリング消失以降リングがほとんど見えない状態がずっと続いていた。このころ土星は明け方の東の空に姿を見せていて、リングのない土星を楽しむことができた。
●11月25日 3回目のリングの消失
今回最後となる3回目のリングの消失は、11月25日ごろ、再び地球がリングをほぼ真横から見ることにより起こる。この時土星は宵の南の空に見え、リングのない土星を観望できる最高のチャンスとなる。リングがほとんど見えない状態は、11月中旬から12月上旬まで続く。その後少しずつリングの南面が見えるようになる。