みどころ

 

●12月1日 火星が最接近 

 2018年の火星接近は、15年ぶりの超大接近となり、かなり盛り上がった。ただ最接近に合わせるかのように火星で大規模な砂嵐が発生し、地球からはあまり表面の模様を見ることができずいささか残念な結果となった。2年2ヶ月後の2020年10月1日は中接近だったが、火星の模様を堪能することができた。そして2年2か月後の今年12月1日に火星が地球に最接近を迎える。ただ、小接近に近い中接近なのでいささか盛り上がりに欠けるかもしれないが、いつもより詳しく観測することができるので、チャンスであることには変わりがない。
 火星は、地球のすぐ外側の軌道を回っていながら、直径が地球の半分ほどしかないため、およそ2年2ケ月ごとに地球と火星が軌道上でとなりどうしに並ぶ接近のときでないと、表面の詳しい観測ができない。ところが、接近時ならば必ず大きな火星が見られるかというとそうではない。火星は楕円軌道で公転しているため、地球と火星が並ぶ場所によってその距離は大きく変わってしまうからだ。
 2018年は5600万kmまで近づく超大接近、2020年は6200万kmで、2018年に比べると10%遠かった。そして今回は、8100万kmで30%も遠くなってしまうが、それでも中接近に近い大きさ。今後2031年まで今回より大きな火星は望めないので貴重な接近と言える。。

 

●南中高度が高いのが魅力
 2020年の接近に比べると、視直径で20%ほどダウンし小さくなった感は否めないが、前回よりも南中高度が高いというメリットがある。今回はおうし座で接近となるため、南中高度が80°(東京)にもなり、ほぼ頭上で輝くことになる。12月は気流が不安定になる季節だが、これだけの高度があればその影響は少ない。冬とはいえ安定した像に巡り合える夜が多いことだろう。

 

●観望チャンスは視直径が15秒を越えるころから
 火星の模様は、視直径が15秒を越えるころから小型望遠鏡でも見えるようになってくる。今回の接近で視直径が15秒を越えている期間は、11月初旬から1月上旬までの約60日間。意外に短いので、晴れているなと思ったら望遠鏡を火星に向ける意気込みで臨もう。


 ただ、視直径15秒とはいっても、木星の1/3程の大きさしかないので、木星を見ることに慣れてしまっていると、望遠鏡で覗いたときにとても小さく感じるかもしれない。観望倍率は、倍率を200倍程度できれば300倍ぐらいにしたいところ。各自の望遠鏡の有効最高倍率(口径mm×2)を考えながら、できるだけ高倍率で見よう。続けて観望していると、だんだん目が慣れてきて最接近するころには、小さかった火星像が大きく感じるようになることまちがいなし。