最近の星空

 

★9月の星空

  9月は夏と秋とが同居する月。真夏を思いださせるような残暑があるかと思えば、乾燥した心地良い風が吹くこともある。おかげで天気は不安定。ときには台風が日本を直撃することだってある。しかし台風一過の夜空は最高。台風が大気の塵をみんな吹き飛ばしてクリアーにしてくれるから。
初秋とはいえ、星空はまだまだ夏の装い。さそり座は南西の地平線にへばりついて風前の灯だが、夏の大三角などはやっと南中したばかりで、さあこれから夏本番と言わんばかり。それでも東の空からは秋の星座たちが静かに登場してきている。それにしても天の川を境にして東側の何と星数の少ないことか。1等星はみなみのうお座のフォーマルハウトただひとつ。それも南に低いために輝きに元気がない。“秋のひとつ星”ということばがぴったりの星だが、東の空にフォーマルハウトより明るい星が姿を見せている。この星は、昨年約15年ぶりにリングの消失を迎えた土星だ。今年からは、天体望遠鏡でのぞくと、リングの南面が見えるようになっている

 

●9月25日は中秋の名月 

 満月は1ヶ月に1回あるのに、どうして秋の満月だけわざわざ祝うのだろう。
 中秋の名月は、必ず昔使っていたカレンダーの旧暦の8月15日に祝うと決まっている。旧暦(太陰暦)では7月、8月、9月を秋として、7月を初秋、8月を中秋、9月を晩秋と呼んでいるから、中秋と付くわけ。名月って付いているのは、旧暦8月は大陸の乾燥した空気が秋風となって流れ込んできて、透明度が良くなって、いっそう月の光が冴えるからだ。今年は9月29日が中秋の名月となる。


 なぜ中秋の名月には、ススキと白玉団子をお供えするのだろう?その理由は、日本の神代の時代まで遡ることができる。日本の一番有名な神は、女神アマテラス。太陽を象徴する女神だ。それに対して月を象徴する神は、男神ツクヨミ。また、二人の神を象徴する植物は、アマテラスは「女性的」「豊かな実り」「垂れる」という意味あいから、秋になると稲穂を実らせて頭をもたげる「イネ」。一方ツクヨミは「男性的」「不毛」「まっすぐ伸びる」という意味あいから、川原や野原でまっすぐ伸びる同じイネ科の「ススキ」が似合う。
 また、お供えする白玉団子は、昔から空に浮かぶ月は、潮の満ち引きを起こし自然にも影響を及ぼす、霊力を秘めた月を表しているという。
今年の名月は、十五夜であるものの、月の東側が少し欠けた月齢14の月となる。その理由は、月は地球の周りを公転する軌道は楕円のため、月が地球に近づいたときは速く、遠ざかったときはゆっくり公転するので、新月から15日後に必ずしも満月になるとは限らない。そのために日数を規則正しく刻む旧暦との間にずれが生じてしまうからだ。