最近の星空

 

★11月の星空

 11月の声とともに、夏の大三角は西に大きく傾き、東の空からは木星とともに冬の星座たちが顔をのぞかせている。
 秋の星空には明るい星が少ないため、晩秋という響きどうりにしっとりと落ち着いている。とくにみなみのうお座とおうし座の間には目立つ星があまりない。ここには,ギリシャ神話“エチオピア王家の物語”で、アンドロメダ姫を襲おうとして勇者ペルセウスに退治された化けくじらが、灰色の岩となってしまっているからだ。くじら座は、全天第4位の大きさを誇る星座だが、明るいのは頭で光るメンカルとしっぽで光るディフダの、2等星ふたつだけだで,他に目立つ星がないため今ひとつぱっとしない。
 木星は、おうし座の2本のツノの間で、12月8日に衝となり、観望チャンスを迎え、一晩中-2..8等の強烈な光を放っている。


 

11月の流星群

●おうし座流星群としし座流星群

11月5日おうし座流星群(南群)が極大  
11月13日 おうし座流星群(南群)が極大  × 

11月17日 しし座流星群が極大  ×

 11月の流星群といえば、“しし座流星群”を思い出すが、もうひとつ忘れてはならないのが、“おうし座流星群”だ。決してメジャーな流星群ではないが、しし座流星群観望中に、おうし座の方向からしし座の放射点に向かって流れる流星をときどき見かけるが、それがおうし群流星なのだ。
 この流星群があまり目立たないのは、活動期間が10月中旬からゆるやかに始まり11月下旬まで続くため、目立ったピークがないことにある。しかし、おうし座流星群は、二つの放射点を持つという、他の流星群にはない特徴がある。同じおうし座流星群でも二つの放射点によって、それぞれ北群・南群に分けられていて、南群が11月5日ごろ、北群が12日ごろに極大を迎える。おうし群の活動は、極大日でも1時間あたり10個以下と低調だが、火球が多いことがポイント。
 ところで今年の気になる月の条件は、南群の極大日の5日は、月齢4.0。放射点が東の空に昇るころには月没となるので、月明かりなしの最高の条件となる。一方北群の極大日である13日は、満月4日前の月齢11.0。しかも放射点に近いうお座で、明け方まで月明かりに悩まされることになる。もっとも前述したように、極大日に特にたくさん流れるというわけではないので、極大日より前の月明かりがないときに観望するとよい。
 さて、33年ごとに流星鵜を降らせるしし座流星群は11月17日に極大を迎えるが、母天体のテンペル・タットル彗星は、2014年に遠日点を通過した後太陽に向かっている最中だが、まだ16天文単位も離れているので、活動は活発とはいえないだろう。おまけに極大日には満月直後の月齢16.0の月が、おうし座で夜空を照らすので、月の条件も最悪に近い。しかし1時間に数個の明るい流星は見えるのではないだろうか。