★3月の星空
3月の和名は『弥生』。木や草がいよいよ生い茂る月という意味の、『木草弥生(いやおい)月』が詰まったことばだとか。やっと待ちに待った春が来たという感じが、ひしひしと伝わってくるが、3月の東京での平均気温は、8.4°とまだまだ低い。それでもポカポカと温かさを感じられのは、春が来たという期待感からなのだろうか。
星空も冬から春へと選手交代をしているところだ。凍りつくような夜空を賑わした冬の星座たちは、西の地平線をめざし、冬の最後の星座ふたご座のカストルとポルックスがほぼ天頂で木星とともに南中している。日本では昔からこの二つの星にさまざまな名前を付けているが、3月の声を聞くと、ひなまつり星に変身して、おだいりさまとおひなさまになって輝く。またオレンジ色に見えるポルックスを金星、白く輝くカストルを銀星と呼ぶこともある。現代はさしずめ金さん銀さん星というところか。それにしても日本人の感性もなかなかのものだと、感心せずにはいられない。
ひなまつり星が西へと傾くころ、東天にはしし座・おおぐま座・うしかい座・おとめ座といった春の代表的な星座たちが出そろう。
3月3日 ひな祭りの宵の皆既月食
3月3日のひな祭りの宵、昨年9月の未明に起こって以来半年ぶりの皆既月食が起こる。
月食とは、太陽に照らされた地球の後ろ側に伸びている影に月が入る現象だ。月食は、太陽-地球-月が一直線に並ぶとき、つまり満月のときにしか起こらない。
皆既月食では、月が地球の影に入るにつれゆっくり欠けて行き、月が完全に本影の中に入ってしまうと、太陽の光を反射して光っている月の姿は見えなくなるはずだが、実際は赤黒光る月がぼんやりと見える。これは、太陽の光が地球の大気を通過したときに、波長の長い赤い光だけが大気を通り抜け、内側に曲げられて、月をうっすら照らすためだ。皆既月食の魅力は、この赤い月にあることは言うまでもない。
本影食の始めは、月の出間もない18時50分、皆既の継続時間は20時04分から21時03分の59分とやや短め。部分食の終了は22時18分、半影食の終了は、23時25分となる。部分食が終わって間もなく月没になる月没帯食となる。食最大の20時34分の月の高度は、名古屋で32°程と見やすい角度。
火曜日の皆既月食だが、宵のとても見やすい時間帯であること、今年イチオシの現象となるので、ぜひ見ておきたい。