最近の星空

 

★10月の星空

 10月になると星空も,夏のギラギラした星座たちが,ようやく西に傾き,代わってしっとりと落ち着きのある秋の星座たちが,続々登場している。秋の星座には明るい星がなくて寂しいというが,秋の星座までも夏や冬の星座のように華やかだったら,人は星を見なくなるかも知れない。夏の猛暑を生き抜いてきて,疲れたからだと心を癒してくれるのが秋の星空。
秋とはいえ、西空はまだまだ夏の装い。いて座は南西の地平線にへばりついて風前の灯だが、夏の大三角などはやっと西に傾き始めたばかり。それでも東の空からはペガススの四辺形を中心に秋の星座たちが静かに登場してきている。それにしても天の川を境にして東側の何と星数の少ないことか。1等星はみなみのうお座のフォーマルハウトただひとつ。それも南に低いために輝きに元気がない。“秋のひとつ星”ということばがぴったりの星だが、ここ数年は近くで土星が光っていて、いささかようすが違う。くれぐれも土星とフォーマルハウトを間違えないように。


 

10月の流星群

●13年ごとに流星雨を見せる!?
10月8日 10月りゅう座流星群が極大

 10月りゅう座流星群とは、あまり聞きなれない名だが、母天体のジャコビニ・チンナー彗星の名で呼ばれているジャコビニ流星群のこと。2009年の国際天文学連合総会で、「流星群の呼び名には母天体の名前は使わない」ことが決まったため、ジャコビニ流星群は「10月りゅう座流星群」と呼ばれるようになった。
 この流星群は、放射点をりゅう座の頭部近くに持ち、毎年10月8日前後に極大を迎える。初めて観測されたのは、1920年というまだ歴史の浅い流星群だが、1933年の夕方、西ヨーロッパにおけるHR5000という大出現と、1946年の北アメリカ大陸からヨーロッパで見えたHR10000ともいわれる流星雨が降って以来、母彗星の周期の2倍に当たる13年ごとに流星雨となる流星群として一躍有名になった。
 今年は、2011年からちょうど13年が過ぎ、少し期待できるかもしれない。極大時刻は10月8日22時と予想されている。出現数は、1時間当たり数個から多くて10個程度だろう。当日の月齢は5で20時ごろ沈むので、それ以降月明かりがなくなるので要注意だ。
 この流星群の特徴は、明るい流星は少ないが、対地速度が遅いためにまるで蛍か雪が舞うように流れる、一味違ったなんとも不思議な雰囲気の流星である。。

 

●あのハレー彗星を母天体に持つ流星群
10月21日 オリオン座流星群が極大

「オリオン座はよく知っているけど、オリオン座流星群なんて聞いたことがない」と言われてしまいそうだが、さすがに星座界のスーパースターオリオン座に放射点を持つ流星群だけあって、並みの流星群ではない。5月のみずがめ座η流星群とともに、彗星界のスーパースターハレー彗星を母天体に持つという由緒正しき流星群なのだ。となると、活動もスーパースター並かと思われるが・・・
 オリオン座流星群の特徴は、10月10日ごろから活動を始め、21日前後に極大を迎え、月末に終わるという息の長い流星群。しかし出現数は1時間あたり10個程度と地味だ。ただし2006年と2007年は、突発出現をしている。
 今年の条件は、極大日は10月21日15時と予想されていて、昼間なのが残念。おまけに月齢は19で放射点の隣のふたご座で光っているため、月の条件も良くない。しかし月明かりに負けない明るい流星が多いので、観望してみる価値はある。