映画と天文手帳

 今年も残すところあと2ヶ月。来年の天文手帳も例年より早い10月6日に発行となった。思い起こせば、出版元の地人書館さんから「今年は原稿の締め切りを早めてほしい」と言われた。たしかに2026年で発刊50周年を迎えるので、気合が入っているのだろうと考えていたが、もうひとつ私は知らない理由があった。その理由とは、なんと10月10日に封切られた新海誠氏原作の「秒速5センチメートル」の映画に天文手帳がキーアイテムとして登場しているというのだ。
 でも、一般的にはかつてタモリ倶楽部でレア手帳として紹介されたほどメジャーでもない手用がそんなに大きく登場はしないだろうと思っていた。しかしながら30年間執筆させていただいている著者としては気になるところなので、10月21日に映画館まで足を運んだ。
 内容的には小学生時代の初恋が大人になったとき・・・というシチュエーションで、再開できる確率は0.003%というキーワードで展開されていった。主役の男の子は天文好きの少年で、初恋の相手の女の子に1992年版天文手帳を誕生日プレゼントするというところから天文手帳が絡んでくる。そんなに期待はしていなかったが、内容は淡い初恋が昭和チックに美しい映像とともに展開されるもので、少し自分の青春時代を懐かしく思い出した。
 天文手用1992年版2009年版とともに雑誌子供の科学、探査機ボイジャー、種子島(NASDA)からのロケット打ち上げ、多摩六都科学館プラネタリウムなど、天文宇宙感がかなり表現されていたので、若年層だけでなく幅広い層が楽しめる映画ではないかと思う。
天文手帳に関しては、2人の初恋を描くキーアイテムとして重要な場面で使われていて、ちょっと嬉しかった。
 ご興味のある方はぜひ映画館で鑑賞していただければと思う。

2025年10月25日