早朝の部分月食

 10月29日の早朝、昨年11月8日以来約1年ぶりに月食が起こった。ただし今回はあのドラマチックな皆既月食とは違って、部分月食。しかも食分は0.128と本当にささやかな部分月食だ。前日は豊川で講演があって、帰って来たのは20時ごろ。翌日は愛知県下水道科学館で午後からとはいえ講座2回と観望会。その間の早朝の部分月食ということでいささかハードではあるが、さんざんあちこちの講座講演で「これといった天文現象のない中で、最もメジャーな現象なのでぜひ見ましょう!」と触れ回っただけに、観ないわけにはいかないだろう。ところが今回の月食は早朝のため、月の高度が西の空の低空での現象だ。我が家の屋上の望遠鏡を設置してある所からは、西側の屋根が邪魔になって見ることができない。仕方なく小型の望遠鏡を屋上に持ち運んで屋上の北の端に設置して観望撮影することにした。

 午前4時にアラームが鳴ると無理やり布団から這い出してカメラを持って屋上へ直行。快晴!満月が煌々と照っている。望遠鏡にカメラをセットするとともに、超望遠デジカメで適当に手持ち撮影。後半雲の中に月が隠れてしまうこともあったが、おおむね良好な状態で撮影することができた。

 だんだん空に青みが増しながら、ほんの少し欠けた月が日の地平線を目指して高度を下げて行く。それとともに月の色が、白から黄色そして橙へと変身していくようすはなんとも神秘的。東の空には金星がまばゆいばかりに輝いている。たまには早起きするのもいいなあと、つくづく思った。

 

 

 

どちらもニコンクールピックスP950で手持ち撮影

 

2023年11月04日