紫金山・アトラス彗星を見る
今年最大の天文ショーと言われた、紫金山・アトラス彗星。すでに崩壊という論文が発表されたり、太陽に近くて確認できずやきもきする場面もあったが、大彗星とまではいかなかったものの、それなりの彗星として、9月下旬から10月初旬の明け方の東の低空に姿を現してくれた。
私は10月1日の朝、野辺山でその姿を見ることができた。ややキリが漂っていたものの、東の空が白み始めるにつれキリも消え、月齢27の細い月の南の低空に姿を見せた。とはいっても3等級で肉眼で見えるか見えないか。双眼鏡で右上方にうすうら尾を延ばした紫金山・アトラス彗星の姿をとらえた。どんどん空は明るくなる一方で、長時間露出はできないので、1秒以下のシャッタスピードで撮影。それでも比較的長い尾を延ばしたこれぞ彗星といった感じの写真を撮ることができた。
今後は、10月15日以降、宵の西空に舞台を移す。9月28日の近日点通過のとき多少バーストして明るくなるかとほのかな期待をしたが、それもかなわなかったようなので、3.5?4等級だろうか。それでも高度は高くなるので、写真写りは良いだろう。チャンスは、月明りがなくなる10月19日から22日だ。とにかく晴れることを祈りたい。