スピカ双眼鏡その後

 「スピカ双眼望遠鏡」以降、忙しくて使い方や見え具合が滞てしまった。
まあ一言で表すと、調整は慣れるまで面倒だが、見え味はGOODといったところ。
 使い方は、一般の双眼鏡と基本的には同じ。まずは接眼レンズの間隔を両眼の幅に合わせる(眼幅調整)ことと、左右の望遠鏡のピントを合わせることだ。
眼幅は、左側の望遠鏡を左右にスライドして、左右の視野円が合致する様に調整する。
ピントは、月などの対象物または遠方の景色で、左右別々に合わせる。
 数千円のキットなので、対物レンズや接眼レンズの焦点距離にばらつきがあって、倍率やピンと位置に差があるのではないかと心配したが、ほとんどずれはなく高精度でできていることがわかって、ちょっとびっくり。
 次は、左右の望遠鏡を平行にすること。これは右側の望遠鏡に装備されている上下左右の微調整ねじを回して行う。左右がずれているときは、両眼で覗くと左右の像が別々の位置に二重になって見えるが、この像が合致する様に微調節ネジを回して調節するわけだ。これはなかなかシビアで難しい調整になると思ったが、二つの像を近づけてゆくと、あるところで自分の目(脳)が、自動的にぴたり重ねてしまうことに気が付いた。これはちょっとした驚きだった。人間の能力恐るべし!
 さて、調整も終わってドキドキしながら西に傾きかけた五日月に向けて覗いてみると、月が立体的に丸く見えるという感じはあまりないが、クレーターの立体感は片目で見るよりも感じられ、コントラストも解像度も上がって、数千円の口径4cmのキット望遠鏡とは思えないほど明らかに鮮明に見える。
 正直言って計画当初は、精度が出ない手工作ではうまくいかないのではないかと半信半疑だったが、その精度のなさを自分の目(脳)が補ってくれて、両眼で見ることにより一ランク上の像を魅せてくれることがわかって、感動。


2022年09月08日