我が家の庭の小さな春

 もう3月も終わり。我が家のささやかな庭にも春がやって来た。一昨年植えた花桃の木は、今年もたくさんのつぼみを付け、今年は寒かったせいか昨年より数日遅れて、一斉に咲き始めた。桃色と白のコントラストが青空に生えて実に清々しい。トローリとろけたストロベリーサンデーのような色合いで、甘い香りが漂ってきそうだが、残念ながらそれはなさそう。
 そして庭の片隅の紫陽花の根方に昨年から、愛らしい紫のブドウの房の色のような、スズランの花のような可憐な花がひっそりと自然生えした。どうやら「ムスカリ」という植物だそうだが、今年も花を咲かせてくれ、我が家の庭の一員になってくれた。
 ムスカリの花言葉は、「寛大なる愛、明るい未来、通じ合う心」だそうだ。新型コロナウイルス禍の中、世界はこのムスカリの花言葉に託されているようだ。コロナに感染した人を憎むのではなく寛大な愛で慈しみ、明るい未来を目指してできる限り自然に人間らしい生活をし、過度な自粛・委縮から生まれる分断を避け、通じ合う心を大切にする。
 この春は外に飛び出して、生きとし生けるものたちの生命の息吹を感じ、まばゆい太陽の光をさんさんと浴びて、友と語り合い、委縮した体とストレスで疲弊した心を開放して、自然免疫力を大いに高めよう。
 でも、感染対策はしなくちゃね。


2021年03月27日