流星群を見よう

★ペルセウス座流星群
★星に願いを
 星空の中を、1本の銀の糸を引くように流れ、消えて行く神秘の星、流星(流れ星)。もちろん実際に輝いている星が流れるわけではない。宇宙空間に漂っているチリや石が、地球にぶつかって、大気で急ブレーキがかかり発生した熱が大気の酸素や窒素をイオン化させて、一瞬発光する現象だ。
 ところで、流星が光っている間に願い事を三度唱えれば、その願いがかなえられるという言い伝えがあるが、流星に願いを託そうと、ただやみくもに星空を眺めていても、よほど運がよくなければ流れてくれない。流星を見るには、ちょっとしたコツがある。


★流星は彗星が落としたゴミ
 流星は、毎年決まってたくさん流れる時期があることを覚えておこう。流星の素となるチリは、彗星ととても関係が深い。実は、彗星の軌道上には彗星が通過したときに残していったチリが、たくさんばらまかれていて、そのチリが密集したところを、ダストトレイルと呼んでいる。この彗星の軌道(ダストトレイス)と地球の軌道が交差していれば、地球が毎年1回同じ日に、そこを通り過ぎるたびにチリは、地球大気に平行に突入することになる。つまり流星は、彗星が落としたゴミが、地球に降ってくる訳だ。


★流星見るなら流星群をねらえ
 このようすを地上から見ると、毎年同じ日に、流星がある一点(放射点)から四方八方に放射状に流れることになる。これを流星群と言って、他の流星群と区別するために、放射点のバックにある星座の名前を頭に付けて呼んでいる。流星群の活動期間には幅があって、ピークになる日を極大日と言う。たくさん見たいなら、この極大日をはずさないことだ。見る方向はどちらでもいいが、効率よく見るには放射点の方向を無くのがベストだ。

★ペルセウス座流星群
 ペルセウス座流星群は、スイフト・タットル彗星を母天体に持つ流星群。極大日は、8月11日~14日に訪れ、ペルセウス座が北東の空に姿を見せる22時ごろから明け方まで、観望することができる。流星は、ペルセウス座にある放射点と呼ばれる架空の1点から全天くまなく四方八方に放射状に流れる。
 さて、ペルセウス座流星群の今年の極大時刻は8月12日22と予想されている。しかし活動が活発なのは、8月12日の極大日を挟んで前後1日の計3日間。1時間あたり30個程度流星が流れる。この群の特徴は、地球に衝突する速度が速いために明るい流星が多く、途中で爆発を繰り返すものもあることだ。つまり夏の花火のように、ハデなのである。
 流星群ウォッチングには、月明かりが邪魔になることは言うまでもない。気になる今年の条件は、極大日13日深夜の月齢は22.9。下弦の月が午前0時前に東の地平線上に顔を出す。放射点が昇る22時から0時まで、つまり極大時刻の頃は、月明かりなしの最高の条件で観望することができる。しかしペルセウス座流星群は明るい流星が多いので、月が昇ってからも、月明かりが目に入らない方向を見上げれば、十分流星ウォッチングを楽しむことができるだろう。

★流星群の係数観測
 流星群の観測方法の一つに係数観測がある。これは、10分とか15分ごとに何個流れたかを数える観測法だ。例えば、観測者が見える範囲に22時00分から22時15分の間に何個流れたかを記録する。これを3時間ほど続ける。そして得られた結果を、縦軸に流れた数、横軸に時間経過を取った折れ線グラフに表す。このグラフを見ると何時にダストトレイルのチリの密度の高いところを地球が通過したかがわかる。