スピカ双眼望遠鏡

 今年も夏休みを迎え、望遠鏡工作教室があちこちでスタートした。
製作する望遠鏡キットは、性能・工作難度・価格3拍子揃ったコルキットスピカKT4cm。
口径50mmのKT5cmは性能面で非常に優秀だが、KT4cmに比べるとかなり大きく重くなるため、かなりしっかりした三脚が必要になる。
 さて、長年工作教室を実施していると、何度も受講してくれて、望遠鏡を2本、3本と持っている人も出てくる。そこで今年は、そういった方のためにスピカ双眼望遠鏡を試作してみた。
双眼望遠鏡と言っても、単に筒を2本並べるだけでは役に立たない。2本の望遠鏡を①平行にして、2本の望遠鏡の接眼部を②目の幅に合わせる必要がある。
 これら①②をどう組み込むか。しかも普通の工具と材料でできるだけ簡単に製作できるようにしなくてはならない。
① の平行は、片方の鏡筒を上下左右に微調整できるようにするか、片方法を上下、もう一方を左右に微調整できるようにする。
② の眼幅は、片方の望遠鏡を横にスライドできるようにする。
ということだ。
 最初に考えたのが、左側の望遠鏡が左右の調整、右側の望遠鏡が上下と眼福調整ができるようにしたタイプだった。(写真1)まあまあコンパクトに精密機械風に仕上がったが、部品点数が多く加工も煩雑なので、キット化するのはいささか面倒。


 というわけで第2弾の試作となった。今度は、片側を小下左右にもう片方を眼福調整用に左右にスライドできるようにした。そのために上下左右微調整は、塩ビパイプを使って望遠鏡のファインダーと同様のスプリングを入れたXY光軸微調整方式を採用。さらにもう片方の望遠鏡で眼福調整ができるようにした。この形式では、塩ビパイプの事前加工は若干必要になるが、部品点数は大幅に減らすことができる。写真2。やや武骨だが実用性は問題ない。


実際の調整方法や使用感は、次に回すことにしよう。

2022年07月25日