火星が不気味なほど明るい
夜9時ごろ東の空を見ると、あまり明るい星がない夜空に、やたらに目立つ星が目に入る。色は薄い朱色。
この星の名は火星。10月6日の最接近が目前にせまり、一層明るさを増して、等級は-2.4等。南西の空に傾きそろそろ旬を過ぎたという感じの木星と同じ明るさだ。しかし色合いの違いからなのか、木星の黄金色は、壮大さや安定感を醸し出しているが、火星の朱色はギラギラという印象で、不気味さ不吉さえ感じさせる。もっとも先入観という可能性もあるが・・・いずれにしても先人も同じような印象にかられ、木星をギリシャ神話の最高神ゼウス(ローマ神話の最高神ユピテル)に、火星を軍神アレス(ローマ神話マルス)に例えたのだろう。
ちなみに、アレスはゼウスとヘラの子だ。
そんな火星が地球にどんどん近づきつつあり、視直径は20秒角を超え望遠鏡でも久しぶりに大きく見えるようになってきた。2年2か月前の2018年7月の接近は、15年ぶりの超大接近で期待が大きかったが、接近に合わせるように発生した巨大砂嵐によって、火星の模様をかき消してしまい、オレンジ色の玉しか見られなかった。今年は顕著な砂嵐の発生もなく、表面の模様が良く見えている。今後2ヶ月ほどは火星を楽しむことができそうだ。
下の写真は、2020年9月15日に伊良湖ホテルの天文台にて撮影。
2020.09.15.22:20 TOA150 LE10mmで拡大 オリンパスOM-DEM5Mk2 1/15″ ISO800 6枚加算合成