ベツレヘムの星?!

 木星と土星が、夕方の南西の空でじわじわと間隔を詰めて、12月16日現在で0.6°角(腕を伸ばして小指を立てたときの小指の先の幅が約1°角)となっている。明日17日は木星と土星に月が寄り添う。
 ところで12月25日はクリスマス(当時は冬至だった)だが、クリスマスはイエス・キリストの生誕日と一般に言われている。クリスマスツリーのてっぺんに飾られる大きな星を飾るが、この星をベツレヘムの星と呼んで、イエス・キリストが誕生したときに、それを世界に知らせるために輝いた星とされている。新約聖書には、その星が東方の博士たちをベツレヘムに導いたと記されている。もし実在した星ならそれはどんな星だったのか?実際にこの星について研究をしている学者は昔から多く、ドイツの天文学者ケプラーも熱心に研究した学者の一人だった。そして、金星説、流星説、彗星説、超新星説など様々な説が発表されたが、ケプラーは惑星が会合したのでないかと考え、中でも紀元前7年に起こった木星と土星の会合(この時は三連会合だった)が、ベツレヘムの星ではないかと提唱している。今でも毎年のようにベツレヘムの星に関する論文が発表されていて、木星と土星の会合説が根強く支持されているという。
 ベツレヘムの星かもしれない木星と土星の会合が、まさに今年の冬至の12月21日(最接近は12月22日)夕方の南西の空で397年ぶりに見られる。そんな一生に一度しか見られないような奇跡的な現象が起こるわけだ。

 2020年は、まさにパンドラの壺が開け放たれたような年だった。壺の中からは、何やら怪しげな黒い雲が立ち上り、あたりを満たしたかと思うとあっと言う間に世界を覆ってしまった。
パンドラの壺から飛び散ったものは、病気、悪意、戦争、嫉妬、暴力、災害など、ありとあらゆる「諸悪の根源」。
 もし、木星と土星の会合が本当にベツレヘムの星の再来だとすれば、12月21日の冬至を境に奇跡が起こり、この暗雲が吹き飛ばされて行くのでなないか?奇跡を起こすとすれば、今国内が民主主義の危機と闘っているキリスト教を重んじる太平洋の東側の国ではないか?パンドラの壺に唯一残ったものは、「希望」だった。その希望とは意外にもD.Tかもしれない。
 こんなことを夢想するのは私だけ?

2020年12月16日