月面Xを撮ってみた

 2月はこれといった天文現象がない中で、昨夜19日は、今年2回目の月面Xが見られる日だった。「月面Xが見える」は、天文現象と言えるほどのものではないが、近年話題になっているし、今年は月面Xが2ヶ月ごとに偶数月に見える当たり年になっているので、この機会にしっかり記録しておくことにした。
 今回月面Xが欠け際に浮かび上がるのは、17時40分ごろ。月面での太陽高度が高くなるにつれ全体に光が当たり周りが照らされるので、X字が周りに溶け込んでしまう。X字として見られるのはここから1時間半ほどだ。
 というわけで、撮影準備を始めたのは18時ごろから、ところが望遠鏡のドローチューブが何かに引っかかって動かなくなるというアクシデントに見舞われ、修理に20分程かかってしまったが無事復活。結局撮影できたのは18時30分だったが、シンチレーションも冬にしてはまあまあで、欠け際に見事にXが浮かび上がる写真が撮れた。まあ無事撮れたので、これで良しとも思ったが、せっかくなのでXが時間とともにどう変化してゆくかを、2時間ごとに撮ってみることにする。このほとんど思い付きで撮影する計画性のなさが、私の得意とするところだ。
 その結果が下の写真だ。X字形の見え方の変化もさることながら、欠け際のようすがまるで生き物のように変わっていっている。月は結構早く公転していることが実感できる。また、月の高度が下がるにつれシンチレーションの影響を強く受け、月の描写が大きく変化していることもわかる写真となった。

2021年2月19日 FCT125+2Xアタッチメント(1400mm) OLYMPUS E-M5Mk2 ISO400 1/80s

2021年02月20日