5月29日水星と金星が寄り添った

 昨日(5月29日)は、夕方の西空の低空で水星と金星が寄り添っていた。この現象につては、月刊星ナビ5月号の「注目の天文現象」のコーナーで自ら紹介させていただいているが、何せこの原稿を書いたのは3月のことなので、書いてしまえば頭の中はリセットされてしまう。なので、水星と金星が接近することなどすっかり過去のことになっていた。つまり恥ずかしながら思い出すことなく見ることもなかったと確信できてしまう。
 ところが、5月29日は15時30分から豊川ジオスペース館で特別投影をさせていただいたのがラッキーだった。プラネタリウムの西に傾いた太陽を地平線に見送り夜を迎えようとしたとき、金星が見え始めるのはわかっていたが、金星の隣にもう一つ星が光っているではないか?!その瞬間走馬灯のように過去の記憶がよみがえる。「そうだ。今日は水星と金星が並ぶ日だった!」と心の中で叫びながら、「夕焼け空の中で金星と水星が寄り添っています。午後7時半ごろから8時にかけて西の空地平線まで開けたところで、金星と水星をぜひご覧になってください」さりげなく解説に加える。
 この豊川での投影がなければ、ここに紹介する写真は存在しなかった。感謝感謝である。
それにしても、各地のプラネタリウム館でプラネタリウム投影に毎日関わっているスタッフの皆さんは、様々な天文現象に事前に触れることができるので、たとえ忘れていたとしても直前には思い出せるという、すごい武器を持っていることなんだね。このメリットは最大限に活用しないともったいない。多くても1ヶ月に3回ぐらいしか解説しない私にとっては、すごくうらやましい限りだ。


5月29日19時51分 OLYMPUS OMDEM5Mk2 150mmF6.3 ISO800 1.3″(電線がちょっとうるさい)

2021年05月30日