見えた!金星食

 今日11月8日は、は2012年8月14日以来実に9年ぶりの金星食だった。昼間の現象とは言え、隠される金星は-4.6等と明るいし、月も月齢3.3と四日月なので透明度さえよければ、月は肉眼で見えるし、金星も双眼鏡なら確実に見える。ところが前々日の天気予報では、曇り傾向。「ムム金星食よお前もか・・・」って感じ。
 ところが、その予報は良い方にはずれ、朝から雲が多いながらもとりあえず晴れている。これなら見えるかもと、晴れている間に赤道儀の目盛環を使って太陽から金星を捕らえ、カメラをセットして、あとは食を待つばかり。
 第1接触が始まる10分前の13時34分、カメラのファインダー越しに薄雲の向こうにキラッと輝く半月状の金星と、今にも雲間に消え入りそうな月が何とか見える。
 13時44分、第1接触とともに潜入開始。月の欠けて見えない部分に金星が入ってゆくので、まるで金星がじわじわと青空に吸い込まれるように消えてゆく。ただし、潜入に連れて見えなくなっていっているのか、雲のせいなのかはよくわからない。しかしまあ、なんとか動画と静止画を撮影することはできた。
 出現までは40分ほど時間があるので、一休み。その間に欲をかいてもう1台カメラをセットする。
 14時20分。あと8分で出現開始だ。気が付くと潜入時よりも雲が切れて月の周りは青空が広がっているではないか。14時25分から動画撮影スタート。14時27分から、カメラのファインダーを覗き、静止画撮影スタンバイ。今度は、月の明るく光る側から金星がじわじわ出てくる。予定通り14時28分過ぎ、月の縁がチカッと光るとその光は徐々に大きくなり、半月状の金星が登場してくる。
 金星が消えるときは幻想的でいいが、出てくるときの方が劇的でドラマチックでインパクトがある。もっともバックが灰色か青かの違いがあるかもしれない。いずれにしても、今年は連敗続きだった天文ショーが、曲がりなりにも見ることができたのは大きかった。この勢いで11月19日の限りなく皆既に近い部分月食もゲットすることにしよう。


 

2021年11月08日