街中で星雲星団撮影

 歳とともに、夜2時間車を走らせて山に行って、星空を撮影するという気力が萎えてきた。でも星雲星団の写真を撮りたい。そこで横着をして自宅で撮影できないものかと考える。撮影もデジタル化が進んで、最近は星雲の微弱な信号を重ね合わせて増幅するという電子観望が主流になっているようだが、あくまでも昔ながらの写真を撮りたい。
というわけで、光害カットフィルターと画像処理(加算合成?)での撮影を企てる。かといっても、カメラの赤外カットフィルターを外したり、高価なナローバンドフィルターを駆使するのではなく、できる限りスタンダードにリーズナブルに撮影する方法を模索。その結果フィルターは、アマゾンで検索した結果SVBONYのCLSフィルターを採用(4680円)。ナローバンドではないので、どれほどの効果があるかはわからないが、とりあえず試しに3等星までしか見えない空で、M45(プレアデス星団)とM42(オリオン大星雲)を撮影してみた。
 タカハシSKY90+レデューサー(f405mm:F4.5)ISO1600で、M45は30秒×5枚、M42は60秒×5枚撮影。カメラはOLYMPUSOMD-EM5Mk2。JPG撮影。
 撮れた写真は、フィルターの特性上青かぶりがすごい。おまけに星雲はそんなに写っているようには見えない。やっぱダメかな・・・
 これをフォトショップで画像処理をしてどれだけ変身させられるかだ。まず、5枚とも青かぶりを落としつつバックを黒に近づける。そして、5枚をレイアーでいろいろな合成、比較明、スクリーン、加算などいろいろ試みる。その結果が下の写真だ。M45は覆い焼き(リニア)-加算、M42はスクリーン。(写真左が処理前、右が処理後)
M45は、ざらざら感はあるもののプレアデスの星々を包む星雲が浮き出した。M42に至っては、一昔前の銀塩写真に迫るほどの写りだ。天文雑誌に掲載されている写真には及びもしないが、街中で手軽に星雲星団撮影をしばらく楽しめそうだ。

 

 

2021年11月30日