いよいよ明日は部分日食
いよいよ明日は、今年最大の天文ショーである部分日食だ。本来なら私は、今頃台湾で部分日食観望の準備にいそしんでいたはずだったが、あのCOVID-19のおかげで涙を飲んで諦めたのだった。でもまあそのおかげで自宅でのんびり部分日食を楽しめそうだ。今のところ梅雨にしては天気もよさそうだし、COVID-19でなんとなく委縮している世間へのカンフル剤になればいいなと思う。
明日の部分日食の詳しいことは「みどころ」に譲るとして、少し気が早いが次に日本で見える日食に思いを馳せよう。このところ、2019年1月6日、12月26日(日本では天気が悪く見えなかった)、そして今回と立て続けに3回起こり、「日食ってけっこう頻繁に見えるものだなあ」とその時だけの情報で錯覚してしまう。しかしこれは日本付近に都合の良い日食周期に入っていただけで、次の日食が半年後や1年後に見られるわけではない。
実際にこの次日本で日食が見られるのは、2023年4月20日だ。この日食は南半球を中心に起こる金環皆既日食で、北半球に位置する日本では太陽がわずかに欠ける部分日食になる。しかも日本南部でしか見られない。私が住んでいる名古屋では食にならず、見たいなら最低でも紀伊半島の先端の串本あたりに行かないとだめだ。それでも食分は0.05程度である。ではその次はと言うと、なんと10年後の2030年まで待たなければならない。この日食は、名古屋では食分0.758と、かなり欠ける見ごたえのある部分日食となる。このとき北海道では金環日食になっている。この日食はぜひ北海道まで出かけて金環日食を見たい。
という訳で、現実的には明日の部分日食を見逃すと、今回のような見ごたえのある日食は国内では10年間起こらないので、ぜひとも瞼に焼き付けておきたい。