観望会シーズン

今年の名古屋は、何年かぶりに梅雨らしい梅雨となっている。ただ、昼間は多少蒸し暑いひもあるものの朝晩は妙に涼しかったりする。それはさておき、こう天気が悪いと星空が見えなくてストレスが溜まってしまう。せっかく新型コロナが収まって来たのに。

ところで、夏は観望会シーズンでもある。私のところにも何件か観望会の依頼が舞い込んでいる。ところが今年は、新型コロナウイルスのせいで、自粛傾向にあるのも否めない。理由は新型コロナウイルスは、3密を避けることはもちろん、目から感染する可能性がるので望遠鏡を不特定多数の人が覗くのは危険というわけである。ではどうする?そこでバーチャル観望会という苦肉の策が登場した。

それはそれでコロナ対策上仕方がないことなのだが、あまりにも悲しく辛い。例えば、プラネタリウムは何のためにあるのか?それはプラネタリウムの星宙を通して星の美しさや星座、それに宇宙のことを知ってもらい、本物の星空を見て感動してもらいたいと私は考えるからだ。おそらくプラネタリウムや公開天文台関係者のほとんどの方々は、思いは私と同じだと思う。だって、どんなこともものも、本物を見ないと心の底からの感動は得られないもの。

観望会も同じだよね。カメラを通して画面に映し出される天体映像は本物とはいえない。もっとも教材として伽大スクリーンに天体を映し出し、巧みな話術で解説をして観客に感動していただくということは可能だし、すごく良い手法だと思う。でも果たして観望会と呼べるかどうか・・・

あちこちから観望会を依頼されている私も大いに悩み堂々巡りをしているわけだが、いつも行く着く先は、「やっぱり生の光を見てほしい」ということ。

3密対策は当然として、望遠鏡を覗くリスク回避の仕方は、その都度、接眼レンズをアルコール消毒する。それが大変なら複数のアイピースを使って、交換しながら消毒をして使う。アイピースののぞくところにラップをかぶせて交換しながら覗いてもらう。あとメガネをしてもらうということぐらいしかないだろう。しかしこれでは大勢の方に望遠鏡を覗いてもらうのは難しいという問題がある。これを解決するには、望遠鏡の台数を増やす。当然スタッフを増やさなければいいけない。あとは、観望会の回数を増やして観客を分散させる。もちろんスタッフ側に負担がかかるのは否めない。

というわけで、今年は(来年も?)大規模な観望会は難しいが、小規模な観望会の数を増やしてでも、少しでも多くの方にバーチャルではない本物の星を見て心から感動して、少しでもコロナストレスを発散してもらうべく、リアルな観望会を注意深く行っていこうと思う。

2020年07月03日