10月1日は中秋の名月
中秋の名月は、旧暦8月15日に見える満月のことで、中秋と付くのは、旧暦では7月、8月、9月を秋として、その真ん中の8月を中秋と呼んでいるため。旧暦8月15日の月を特に名月として祝う理由は、旧暦の8月つまり新暦9月は、暑い夏も終わり、大陸から乾燥した空気が流れ込んできて、空が澄み月の光がいっそう冴え渡るからだ。
ところで「ちゅうしゅう」には二つの漢字があるが、どっちが正しいの?「中秋」は旧暦8月15日のこと、「仲秋」は旧暦8月のこと、「仲秋」は旧暦8月を指す言葉である。つまりどちらでもよいのだ。
ところで、旧暦は一般的に約1ヶ月後ろにずれているので、中秋の名月は、9月15日ごろという印象がある。
実際昨年は9月13日だった。ところが今年は10月と例年よりも遅い。なぜ?
それは旧暦の1年の長さに関係がある。旧暦(太陰太陽暦)は、新月を1日として月の満ち欠け周期を1ヶ月としている。月の満ち欠け周期策謀月は、約29.5日なので、29日の省の月と30日の大の月を12回交互に繰り返して1年としている。すると旧暦の1年の日数は、354日になる。つまり今のカレンダー(太陽暦)の1年の365日と比べると11日短い。つまり354日のまま繰り返すとやがて月数と季節がずれてくることになる。これはまずいということで、ずれが3年で33日になることから、ほぼ3年ごと(稀に2年)に1年が13ヶ月の年を作ることにした。こうすることによりほぼ3年ごとに月数と季節委のずれがリセットされることになる。1ヶ月余分の月のことを閏月と呼んでいる。この閏月が1年の最後に入れば問題ないのだが、旧暦の作法でどこに入るかが決まってくる。今年の場合は4月に閏月が入り、4月が2回あったため、5月以降がさらに1ヶ月後ろにずれてしまったため、旧七夕も中秋の名月も例年より遅めということなのだ。
昨年の中秋の名月は、東海地方は雲間から見えるにとどまったが、今年は美しく冴えわたる名月を愛でたい。(写真は昨年の中秋の名月)